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映画「ある公爵夫人の生涯」とアールグレイ

先日、劇場公開では見逃してしまった映画「ある公爵夫人の生涯」をDVDでやっと観ることができましたが、思いがけず主人公級の一人が紅茶と関わる人物だったので、ちょっと得した気分でした。

主人公であるダイアナ元イギリス皇太子妃の祖先、ジョージアナ・デヴォンシャー伯爵夫人の愛人として登場する政治家リチャード・グレイという人物は、後に第二代グレイ伯爵となりイギリス首相にまで上り詰めますが、この人実は紅茶の中でフレーバーティーの代表とも言える「アール・グレイ」の始まりに深く関わっているのです(Earl Greyはグレイ伯爵という意味です)。グレイ伯爵とアールグレイの関係は知っていましたが、伯爵夫人の愛人だったことは知らなかったので興味深かったです。

世界で初めて生まれた紅茶「ラプサンスーチョン」(正山小種・・・当時の福建省方言での読み方が転じ、ラプサンスーチョンという名前になった)は、中国福建省の現在岩茶の生産地として有名な武夷山の山奥、桐木閑(トンムーグァン)という村でたまたまできた※1) お茶です。このお茶を洋行(外国との取引をする場所)で売ってみたところ意外にも好評で、その後ヨーロッパに輸出されました。

アールグレイが生まれたいきさつには諸説ありますが、龍眼(中国の果物)に似た独特の香りを持つこのラプサンスーチョンをグレイ伯爵が中国の外交官から贈られ大変気に入り、イギリスの茶商に似たような香りのお茶の開発を命じ、イギリスには龍眼は無いため、代わりにベルガモットの香りを付けてアール・グレイが生まれた、と言う説が一般的なようです。トワイニング氏とグレイ氏の間に親交があったのでトワイニング社が初めてアールグレイを作ったとも言われています。

現在のアール・グレイはキーマンやセイロンなどにベルガモットを吹き付けたものが主流ですが、元々はラプサンスーチョンを用いるものと上海のお茶の学校では教えられました。フォートナム&メイソンのアールグレイは今でもラプサンスーチョン(と言っても本物の正山小種ではなく、似せて作った煙小種)を使っていますね。でも、ラプサンスーチョンそのものをグレイ伯爵が気に入っていたのならベルガモットは必要なかったんじゃないかなぁ、なんて・・・考え出すと眠れなくなりそうなので、やめます。

15日のお茶会は紅茶を中心に進めますが、まず紅茶の原点であるラプサンスーチョンから飲んでいただこうと思います。独特の癖のある香りを受け付けない人もいますが、私は好きです。お酒やチーズとも良く合うんですよ!
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ちなみに私にとってアールグレイと言えばF&Mのものですが、最近浮気して買ってみたのは象さんのトレードマークが可愛らしいWilliamsonのImperial Earl Grey。のど越しすっきりで上品な味と香りです。でも、やっぱり原点はF&Mだなぁ。

※1)桐木閑では元々緑茶を作っていたが、その頃紛争が絶えず軍が侵入し、村人は生産過程の途中で積んだままのお茶をそのままにして逃げた。侵入者が去って村人が戻ってみると茶葉は黒く変色していたが捨てることができず、松の木を燃やして乾燥したところ、独特の龍眼のような香りがついた。茶の湯が紅いので紅茶と呼ばれるようになった(英語では茶葉の色からblack teaと呼びますね)。
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by xiang-hua | 2010-02-10 00:05 | tea time
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